算数と数学54 等式と方程式(2)
算数と数学54 等式と方程式(2)
こんにちは!
今回は「方程式」は後半で計算の前のお話を、前半では前回お話しした「等式」の中の「等式変形」を進めていきます。数學舎では「方程式」の前にまずは一度「等式変形」の基本を身に付けます。
算数と数学53 等式と方程式(1)の
例2
次の数量の関係を等式で表しなさい。
30円のお菓子a個と50円のお菓子b個を買ったときの金額をc円とする。
のような問題は
〈1〉30a+50b=c
〈2〉c=30a+50b
など、関係がきちんと示されてさえいれば正解(いくつも正解がある)と言うことや
例3
30円のお菓子a個と50円のお菓子b個を買ったときの金額をc円とする。
cをa、bで表しなさい。
のような問題では、上の〈2〉の答え方
c=30a+50b
だけが正解となることを覚えました。
「等式変形」とは、例2の答えである
〈1〉30a+50b=c
〈2〉c=30a+50b
のような式を、例えば
aについて解きなさい。
のように、「(ある文字)について解く」と言う言葉を用い、例3と同様、aを他の与えられた文字で表すこと。すなわち上の〈1〉〈2〉のような式を
a=(bとcを使った式)
の形に変形することを指す、と言うことも前回簡単に学びました。
このような問題では良く
例6
次の等式を〔 〕の中の文字について解きなさい。
〈1〉30a+50b=c 〔a〕
〈2〉c=30a+50b 〔a〕
のようになっています。
それでは上の2つを解いてみましょう。
???
〈1〉と〈2〉って同じ式ですよね。もちろんどちらもすらすら解ける子もいます。
ところが、〈1〉はできても〈2〉を間違えてしまう子もいるのです。どう言うことでしょう。
上に書いたことはとても大切なことなのですが・・・
たかだかこんなことが?と思う人も多いと思います。が、この先とくに高校数学になってから、「等式変形」がうまくできない、間違える、時間がかかる、ことによって、またその次の「等式変形」をしたあとの式を他の式に代入し・・・のような長い計算でつまずく子が出ないようにするためのものと思ってください。低学年の内の計算力がその後の長い期間に影響するので、一つもおろそかにはできないのです。
数學舎では、最初は上のような問題を中心に、同じ問題を〈1〉〈2〉のようにして同じ答えになるように練習を繰り返してから先に進みます。そこまで時間がかからずにほとんどの生徒ができるようになりますが、一度できたからと言って油断は禁物。この計算はしばらく経つとまたできなくなる類のものなので、方程式(1元1次方程式)が終わった後、更に難しい「等式変形」を行うときにまた基本を繰り返します(文字が一つしかない1元1次方程式では、上で用いることを使わずにも解けてしまうことで忘れやすいのです)。
さて次に、「方程式」の計算・・・ではなく・・・
そもそも「方程式」って何?
と言う部分にも軽く触れておきましょう。
中1範囲の「方程式」は「1元1次方程式」と言います。
中2範囲では「2元1次方程式」や「3元1次方程式」などを学びます。
元気の「元」は文字の種類です。「1元1次方程式」には文字として扱うものが1種類、「2元1次方程式」には文字として扱うものが2種類、「3元~」には3種類あると言うことです。「次」は一つの項でかけあわされている文字の個数(次数)の、単項式であればそれを、多項式であればその最大のものを指します。
「1元1次方程式」は「解」が1つに定まります。
「2元1次方程式」や「3元1次方程式」には「解」が無数にあります。
1次の等式の中の文字が1種類で、その文字に、ある特定の値を代入したときのみ等号が成立するとき、それを「1元1次方程式」と言い、その特定の値のことを「解」と言います。
「2元1次方程式」や「3元~」では、「解」の組が無数にあるため、「解」の組を特定の1組に定めるためには「2元~」なら異なる2本、「3元~」なら異なる3本の式を必要とします。その2本以上の複数の式を用いることを「連立」する、と言います。「連立方程式」と言う単独の方程式があるわけではありません。その「連立」した複数の式すべてを同時に成り立たせる文字の値の組を「連立方程式の解」と言います。
方程式の「解」を求めることを「方程式を解く」と言います。
中3範囲では「(1元)2次方程式」など、「方程式」にはまだまだたくさんのものがあります。
では、「1元1次方程式の解」について簡単に説明します。
次のことは、知らなくても中学数学ではほとんど困らない部分なので、高校入試を目標とする公立中学の生徒は軽く触れるだけで十分です。
高校数学では「等式の証明」などで、与えられた等号(=)が成り立つこと自体を証明しなければいけない問題があり、「与えられた等号(=)は使えない」ことを前提として証明を行います。これを中学数学でも何度か出てくる「左辺=」「右辺=」の用い方に少しずつ慣れさせておくと後々の理解が早くなることから、数學舎ではこの手のものが出てくる度に必ず授業で説明を行います。最初は、へぇ~そうなんだ、程度で構いません。
例7
次の方程式の解を{ー1,0,1,2}の中から選びなさい。
3Ⅹ=Ⅹ+2
解
・Ⅹ=ー1のとき
左辺=3×(ー1)=ー3
右辺=ー1+2=1
よって不適(成り立たない)
・Ⅹ=0のとき
左辺=3×0=0
右辺=0+2=2
よって不適
・Ⅹ=1のとき
左辺=3×1=3
右辺=1+2=3
よって成立(成り立つ)
・Ⅹ=2のとき
左辺=3×2=6
右辺=2+1=3
よって不適
以上から求める方程式の解は
Ⅹ=1
この問題は計算で「方程式を解く」ものではありません。
等号が成立するときのⅩの値のことを「方程式の解」と言うことを学ぶだけです。さすがにこれは誰でもすぐに理解できます。ただ、この問題の大切な部分は、この「解」の説明ではなく、「左辺=」「右辺=」として「調べる」過程にあります。
3Ⅹ=Ⅹ+2
の式の中にある「=」と言う「等号」が「成り立つことを調べる」のですから、この式の中にある「=」は使ってはいけません。
例えばⅩ=ー1のとき
左辺の式に代入したことが分かる
左辺=3×(ー1)と言う式
右辺の式に代入したことが分かる
右辺=(ー1)+2と言う式
を必ず書き、左辺と右辺の値が同じになるかどうかを「調べて」、同じならば「成立(成り立つ)」、違っていたら「不適(成り立たない」として「解」を求めていく、この過程に触れることを目的とします。
こんな細かいことどうでもいいんじゃ?と思う方がほとんどかもしれませんね。
数學舎の授業は「脳の記憶領域」を利用したものになっているのですが、これは「小さな記憶を大切に、積み重ねることによって当たり前のようにしていく」繰り返しの手法です。時間が経つ程に効果が表れてきます。
さて、今回はここまでにしておきましょう。
次回更新は11月26日(木)を予定しています。
それではまた!

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