算数と数学53 等式と方程式(1)
算数と数学53 等式と方程式(1)
こんにちは!
今回は、中1の「文字式」にも少しだけ出てくる「等式」についてのお話を中心に、次の単元の「方程式」、中2範囲の「等式変形」についても軽く触れていきます。
この「等式」については、中1の教科書、参考書では、それまでの「文字式」と項目を変えて、「関係を表す式」のようになっていることが多いと思います。これはとても大切なことで、「関係を表す式」つまり「等式」ももちろん「文字式」ではあるのですが、等号「=」(イコール)があるかないかでその性質がまったく変わることを強調しておかなければいけません。
「関係を表す式」以前の文字式は
例1
30円のお菓子a個と50円のお菓子b個を買ったときの金額を文字式で表しなさい。
のような問題のことを言います。
30a+50b(円)ですね。
次に、「関係を表す式」では、まず
等号「=」(イコール)を用いて数量が等しいと言う関係を表したものを「等式」と言う。
「等式」で、等号(=)の左側の式を等式の「左辺」、右側の式を等式の「右辺」、その両方の式を合わせて「両辺」と言う。
との言葉(数学用語)を覚えましょう。
次にいくつか例を示します。
例2
次の数量の関係を等式で表しなさい。
30円のお菓子a個と50円のお菓子b個を買ったときの金額をc円とする。
これは
30a+50b=c
となります。とても簡単ですよね。
この問題の答えは他にも
c=30a+50b
でも
cー30a=50b、30a=c-50bでも、a=の式にしても合ってさえいれば何でも構いません。
次のような問題ではどうでしょう。
例3
30円のお菓子a個と50円のお菓子b個を買ったときの金額をc円とする。
cをa、bで表しなさい。
この問題の場合は
c=30a+50b
この答えだけが正解となります。
cを必ず左辺に書くこと。右辺はc以外の文字で表すこと。
「ある文字をそれ以外の文字で表せ」
のような問題では、必ずこのきまりに則って表さなければいけないことも覚えてください。
この「関係を表す式」で「公式」と言う言葉も覚えます。
①平行四辺形の面積をS、底辺をa。高さをhとしたとき、Sをa,hで表しなさい。
②半径rの円の面積をSとするとき、Sをrで表しなさい。
①は、S=ah
②は、S=πr^2(パイアール2じょう)
となりますね。他にも「公式」と言われるものはたくさんありますが、この段階では、基本的なものを文字を使った「等式」で表すことができれば十分です。「公式」についてはおいおい話をしていきます。
さて、大雑把に、「文字式」と「等式」についての説明をしましたが、中1の「関係を表す式」の中の「等式」についてはこれでほぼ終わりです。
しかしここまででは、
等号「=」(イコール)があるかないかでその性質がまったく変わる
ことなど、何を言っていることやら、と言う感じです。
これは、次の単元「方程式」の「等式の性質」を学ぶことで初めて現れてきます。
「方程式」の単元に入ると、前半に次のような計算の方法が載っています。
等式の性質A
①等式の両辺に同じ数をたしても、等式は成り立つ
②等式の両辺から同じ数をひいても、等式は成り立つ
③等式の両辺に同じ数をかけても、等式は成り立つ
④等式の両辺を同じ数でわっても、等式は成り立つ
「等式の性質」の説明にはなぜか上のように「同じ数」と言う言葉を使っているものが多く見られます。他には「同じ数」の部分が、「同じ数や式」となっているものもありますが、中1では「式」と言う言葉で「文字」を連想しない子もいるので、次のように説明すると良いでしょう。
等式の性質B
①等式の両辺に同じ数や文字をたしても、等式は成り立つ
②等式の両辺から同じ数や文字をひいても、等式は成り立つ
③等式の両辺に同じ数や文字をかけても、等式は成り立つ
④等式の両辺を(0以外の)同じ数や文字でわっても、等式は成り立つ
⑤左辺と右辺をそのまま入れ替えても、等式は成り立つ
⑤は載っていないものもありますが、使いこなせるようになった方が理想です。
例えば例1の答え
30a+50b=c
は
c=30a+50b
としても構わない、と言うことです。
え?
当たり前じゃないの?
と思うかもしれませんが、意外や意外、きちんと教えない限り「方程式」(や中2範囲「等式変形」)の途中の計算でうまく使える子は極々少数です。
さて、「方程式」に入ると、この「等式の性質」の前にも大切な部分があるのですが、それは次回に回して、今回は上の「等式の性質」①②の説明をします。「移項」はこの結果を用います。
例4
①xー5=3
②x+5=3
③5x=4x+3
①は両辺に5をたすと
xー5+5=3+5
x=8
左辺のー5+5=0なので消すことができます。
②は両辺から5をひくと
x+5ー5=3ー5
x=ー2
左辺の+5ー5=0なのでこれも消えます。
これはもちろん「文字」でも可能です。
③は両辺から4xをひくと
5xー4x=4x+3ー4x
x=3
これは右辺の4xー4x=0となるので、これも消えます。
このような結果から
例4
①xー5=3
②x+5=3
③5x=4x+3
①xー5=3
x=3+5=8
②x+5=3
x=3ー5=ー2
③5x=4x+3
5xー4x=3
x=3
のように、左辺から右辺、または右辺から左辺に、項を移すことを「移項」と言い、=を超えることで「符号」が変わることを覚えます。
この「移項」に加えて、上の③④の計算を身に付けることで、「方程式」や中2範囲の「等式変形」が進められます。ただ、新たに学ぶ「移項」だけにこだわってしまうと、不思議なことに上の⑤ができなくなると言う現象が起こります。これについても次の回で例を出しながらお話を続けます。
また、「移項」を学んだからと言って上の①②がなくなる訳ではありません。この①②を基本とする説明が様々なところで必要となるので、どのようなもので①②が使われているのかも今後示していきます。
ここで、「等式変形」と言う言葉が何度か出てきましたがこれは一体どのようなものでしょう。今回は基本だけを紹介します。
例5
a+b=cをaについて解きなさい。
これはbを右辺に移項するだけです。
a+b=c
a=cーb
必ずaを左辺にし、右辺にはaがないような形にします。このように、等式の性質や移項を利用して、等式が成り立ったまま式を変形することを「等式変形」と言います。
この「等式変形」は中2数学の範囲なのですが、中1の文字式の単元に含まれる「関係を表す式」を学んだときに、「等式の性質」と「移項」を学ぶことで、そのまま「等式変形」を続けて学ぶ、と言う順も可能です。
一般的には
「関係を表す式」⇒「方程式」⇒「等式変形」⇒「連立方程式」⇒
ですが、
「関係を表す式」⇒「等式変形」⇒「方程式」⇒「連立方程式」⇒
でも構わないと言うことです。
中1、中2範囲を中1で学ぶことが多い中高一貫校では、各学校で工夫されていると思います。
数學舎では
「関係を表す式」⇒「等式変形(簡単なもの)」⇒「方程式」⇒「等式変形」⇒「連立方程式」⇒
と、「等式変形」としての単元は中1では2回教えています。中2のときには中3範囲の「式の展開」「因数分解」などでも「等式変形」を利用するものを教え、更に高校数学になっても頻繁に教えます。一般的に「公式」を生み出すには「等式変形」を行うため、「等式変形」がうまく、素早くできるようになることは、数学を学ぶ上で絶対的な条件と思っておいてください。
次回更新は、10月15日(木)を予定しています。
それではまた!

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