算数と数学49 正負の数(2)
- suugakusha
- 10 時間前
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算数と数学49 正負の数(2)
こんにちは!
今回は「算数と数学5」で学んだことを再度確認してから、少しだけ先に進みたいと思っています。
前回
「同じことを符号や言葉を変えて表す」場合
A「符号を変えたら言葉を変える。言葉を変えたら符号を変える」
との言葉を必ず覚えておいてください。
と書きました。
これは
-(+6)=+(-6)
-(-5)=+(+5)
などの、カッコの外を+に直し、「和」として表すことに対し、
「-(マイナス)は反対の性質を持つから」
のように説明されることがあり、もちろんそのこと自体は正解なのですが、これは結果論であり、「説明」にはなっていないことから、
「同じことを符号や言葉を変えて表す」場合
A「符号を変えたら言葉を変える。言葉を変えたら符号を変える」
と言う「正負の数」の基本を用いることで
-(+6)
-(-5)
を、言葉で表すと
+6をひく
-5をひく
であり、「ひく」を「たす」に変えるので、これらは
-6をたす
+5をたす
と
カッコの外の「ひく(-)」を「たす(+)」に変えるのだから、カッコの中の符号を変える。
とする、具体的な説明が可能となります。
たかだかこんなことをわざわざ教えても意味がないと思われがちですが、たかだかこれだけでも子供たちの納得度が変わり、かつ
「過去に学んだこと、覚えたこと、その上に数学の理論体系はできている」
ことの意識付けを行う、大切な部分なのです。
「覚えたことの積み重ねで数学はできている」
「一所懸命頑張って覚えたり練習することで、数学は必ずできるようになる」
と、「数学」を初めて学ぶ生徒に対して「正負の数」は最も適した単元と言えるでしょう。
過去に学んだことを利用するものは、かけ算などにもあります。
(-2)×(-3)=+6
なぜ-(マイナス)と-(マイナス)をかけたら+(プラス)になるのか。
これも
「-(マイナス)は反対の性質を持つから」
で済ませられますが
「小2で習う九九の考え方」と「交換法則」「正負の数の加減の考え方」を用いると
(+2)×(+3)=+6 ↓(かける数を1ずつ減らす)
(+2)×(+2)=+4 ← +2減る
(+2)×(+1)=+2 ← +2減る
(+2)× 0 = 0 ← +2減る
(+2)×(-1)=-2 ← +2減る
(+2)×(-2)=-4 ← +2減る
ここで交換法則で前後を入れ替え、
(-2)×(+2)=-4 ↓(かける数を1ずつ減らす)
(-2)×(+1)=-2 ← -2減る=+2増える
(-2)× 0 = 0 ← -2減る=+2増える
(-2)×(-1)=+2 ← -2減る=+2増える
できました♪
このあとはどんどん大きくなるだけですね。
「-2減る」を「+2増える」に変えることがポイントです。
(ここで、(-2)×(+2)=-4を、(-2)が2個と考え、(-2)×(+2)=(-2)+(-2)=-4との結果から始めれば「交換法則」は不要ですが、「同符号の2数の積は正」「異符号の2数の積は負」の学びのために、敢えてこの方法を用います)
これには
「小2で習う九九の考え方」で、前の数を「かけられる数」、後ろの数を「かける数」と習い、
「かける数を1増やすとかけられる数だけ増え、かける数を1減らすとかけられる数だけ減る」
ことを学び、
その後、ただの数字や文字であれば※
乗法の「交換法則」はいつどこでも使えることを学び、
中学数学「正負の数」の一番初めに学ぶ(はずの)
A→「同じことを符号や言葉を変えて表す」場合
「符号を変えたら言葉を変える。言葉を変えたら符号を変える」←A
を用いた「正負の数の加減の考え方」
との、3つの要素が含まれていることに気付きます。
つまり、この内の一つでも欠けたらこの説明はできません。
(※以前の高校数学にはあった「行列」などではAB≠BAを学びます)
このような「説明」を加えるだけでも「数学」の見方がまったく変わることが分かる良い例と言えます。
「正負の数の加減の考え方」でこのAが抜けている教科書は、その後の乗法においても「結果を用いた説明」しかされていません。「数学」の体を成していないのです。
さて、ここまでは「算数と数学5」に書いたことと同じものですが、この先「数学」を学ぶ上で、常に「なぜ?」と言う疑問を大切にすることが、本当の意味での「数学」の力となることから繰り返し書かせてもらいました。
さらにこれを発展していきましょう。
「正負の数」の「加法」と「減法」を学んだときに、
①「同符号の数※の和」は、「絶対値の和に共通の符号」をつける
②「異符号の2数の和」は、「絶対値の差に絶対値の大きい方の符号」をつける
ことを覚え(もちろん正は正、負は負だけの同符号の計算を先に、最後に異符号の計算)、
※教科書では「同符号の2数の和」となっていますが、同符号の場合「2」はあってもなくても構いません。何個の数でもできます。必要なときにだけ2数とします。
「正負の数」の「乗法」と「除法」では
③「同符号の2数の積は正」(=「2数の積が正ならば同符号」)
④「異符号の2数の積は負」(=「2数の積が負ならば異符号」)
を覚えます。
ここでも
B「符号と絶対値(数字部分)は必ず分けて考える」
ことがはっきりと書かれています。
そして次に「正負の数」の「乗除」(かけ算・わり算)において
⑤「マイナス(ー)が偶数個でプラス(+)、マイナス(ー)が奇数個でマイナス(ー)」
であることと、
⑥「累乗の形」「指数」
を学びます。
ところがここでも一部の教科書、参考書において、大切なことが抜けているものがあります。
⑤「マイナス(ー)が偶数個でプラス(+)、マイナス(ー)が奇数個でマイナス(ー)」
においては
(ー2)×3×(ー5)×(ー4)
=ー2×3×5×4←符号を先に決定!!
=ー120
のように、マイナスの個数を先に数え、「符号を先に決定」してから「数字部分の計算」を行う。と、
B「符号と絶対値(数字部分)は必ず分けて考える」
ことが正しく書かれているのですが、
⑥「累乗の形」「指数」
の計算では
ー2^2=ー2×2=ー4
(ー2)^2=(ー2)×(ー2)=4
のような例は載っていても
ー(ー2^2)=4←マイナスは2個なので+
ー(ー2)^2=ー4←マイナスは3個なのでー
のようなことすら説明されていないものがあり、
ー(ー1^4)×(ー3^2)×(ー5)^2 ×(ー2^2)
=ー(ー1)×(ー9)×25×(ー4)
=900
のような、ありえない計算方法しか書かれていないものもあります。
ではどのような計算が正しい計算と言えるのか。
まともな参考書や問題集などであれば当然と言えるものなのですが、今後6年間に関わることなので、参考になるよう、敢えて示しておきます。
このままだと累乗の形と指数部分が分かりづらいので下の例を見てください。
どうでしょうか。
小学校を卒業しこれから中学校で数学を学ぶ、と言うときに、「数学ができるようにはなっていない、一つの単元においても単元ごとにおいても一貫性のないことが書かれている」ものをそのまま用いては「数学の正しい理論体系」が学べるはずもありません。
この部分だけであればまともなものもあるのですが、中学~高校数学全体を見ると、まったく繋がりが断たれている一貫性のないものがそこかしこにあることに気付きます。
これは教える側の責任とも言えますが、所謂「できる生徒だけがなんとなくできるだけの数学」をいくら学んでも無意味でしょう。
さて、次回から、これらが「正負の数」の「四則計算」やさらに先の「文字式」「方程式」「関数」にまで影響することを示していきます。
次回更新は5月21日(木)を予定しています。お楽しみに!
それではまた!

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