特別企画:「解答・解説」編 その1
- suugakusha
- 2023年3月20日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年6月1日
さて、今日は2月1日(水)「特別企画」の問題の「解答・解説」編 その1です。
前回の、X、Y、Zの問題は「少しの知識」と「気付けば答えられる問題」でしたが、今回の問題は大学入試でも重要な「知識とその計算が必要な問題」でした。
では、解説を始めましょう。今回、解説を2回に分けて行います。
「解答・解説」編 その2もぜひご覧ください。
さて、まず
「サイコロ6個を同時に投げたとき、目の出方は6の6乗=46656通りと考えます」
と言うことは、例えばサイコロ2個を同時に投げたとき、目の出方は6の2乗=36通りと考える問題と同じく、例えば目の数の和が3の場合などは、1,2と出る場合と2,1と出る場合の2通りと数えなければいけない、と言うことを示しています。
これを前提として、大きく分けて2通り(解1=その1、解2=その2)の解答があります。
この先、組み合わせの記号→ nCr や、順列の記号→ nPr 、階乗の記号→!、を用いて話を進めていきますので、これらの簡単な説明は
ブログ「算数と数学11」
を読んでおくと分かりやすいかと思います。
解1
和が12になる組み合わせをすべて書き出します。
1,1,1,1,2,6⇒A
1,1,1,1,3,5⇒A
1,1,1,1,4,4⇒B
1,1,1,2,2,5⇒C
1,1,1,2,3,4⇒D
1,1,1,3,3,3⇒E
1,1,2,2,2,4⇒C
1,1,2,2,3,3⇒F
1,2,2,2,2,3⇒A
2,2,2,2,2,2⇒G
A⇒4つの同じ数と、あとは2つの違う数
B⇒4つの同じ数と、2つの同じ数
C⇒3つの同じ数と、2つの同じ数と、残り1つ
D⇒3つの同じ数と、あとは3つの違う数
E⇒同じ数が3つずつ
F⇒同じ数が2つずつ
G⇒すべて同じ数
Gは簡単ですね。1通りです。
A~Fの場合の数の求め方には、2つ(下のa、b)の計算方法があります。
解1ーa
6個の枠を考えます。
□□□□□□
この6個の□の中に、順に数を入れていく計算を行います。
Aのタイプはまず、同じ4つの数字を、6個の枠の内、どこに入れていくかの計算が
6C4=6C2=(6×5)/(2×1)=15(通り)、
残りの2個の枠に、異なる数字を入れるので、
2P2または2!の計算
2P2=2!=2×1=2(通り)
この2つをかけることで、Aのすべての場合の数が求められます。
6C4×2P2=15×2=30(通り)
となります。
Bは、同じ4つの数字を、6個の枠の内、どこに入れていくか、で、残りは決まりますので(同じ2つの数字を、6個の枠の内、どこに入れていくか、でも構いません)、
6C4=6C2=15(通り)
以下同じように考えて
C⇒6C3×3C2
=(6×5×4)/(3×2×1)×(3×2)/(2×1)
=20×3=60(通り)
D⇒6C3×3P3
=20×6=120(通り)
E⇒6C3
=20(通り)
F⇒6C2×4C2
=15×6=90(通り)
Aのタイプは3つ、Cのタイプは2つ、B,D,E,Fは1つずつ、そしてGの1通りをすべて加えると
30×3+60×2+15+120+20+90+1
=456(通り)
答えが出ました。正解は
①の456通り
と分かりました♪
解1ーb
例えば
BANANA
と言う文字の並びを考えます。
アルファベット順にすると
AAABNNとなります。
これを、AとNの同じ文字に対し、
A1、A2、A3、N1、N2
と、それぞれ違う文字と考え、これにBを加えた6個の文字の並び順は
6!の計算となります。
しかし、実際は
A1A2A3BN1N2も
A1A3A2BN1N2も
A1A2A3BN2N1なども、すべて同じ
AAABNNです。つまり、
6!の計算には
A1A2A3の並び順の
3!通り
N1N2の並び順の
2!通り
の、3!×2!通り、余計に数えてしまっていることになります。
これは、
AAABNNと並べても、AAANBNと並べても、どのような並べ方でもすべて
3!×2!通り、余計に数えています。
よって、
6!/(3!×2!)
の計算を行うことで、求める場合の数を出すことができます。
この方法を用いると
A⇒6!/4!
=30(通り)
B⇒6!/(4!×2!)
=15(通り)
C=6!/(3!×2!)
=60(通り)
D=6!/3!
=120(通り)
E=6!/(3!×3!)
=20(通り)
F=6!/(2!×2!×2!)
=90(通り)
あとは、Gの1通りを忘れずに、解1ーaと同じ計算をすれば良いことになります。
この、解1は、a、bの計算も含め、この先大学受験で数学が必要な人は、必ず覚えておかなければいけないものになります。
現行課程では、高校数学ⅠAの範囲「場合の数・確率」の単元に入っています。
さて、次に、解1とはまったく異なる解き方もあります。
それは・・・
特別企画:「解答・解説」編 その2
で、紹介します。
併せてお楽しみください♪
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