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算数と数学42 平均算(1)

  • suugakusha
  • 6月5日
  • 読了時間: 5分

算数と数学42 平均算(1)


こんにちは!


今回は、新たな「比」の使い方が出てくる「平均算」の解法です。

この「平均算」も様々な問題があり、その解法はいろいろなところで利用できる優れものです。今回はその基本だけを紹介していきます。


尚、下の例33のような「平均」についての問題はとても大切ですが、ここでは簡単に触れるだけにし、「特殊算」としての「平均算」を中心に話を進めていきたいと思います。


例33


(1)テストを3回行い、1回目は73点、2回目は81点、3回目は86点でした。3回のテストの平均点を求めなさい。


(2)テストを2回行ったところ1回目は73点、2回目は81点でした。3回目のテストで何点取れば平均点が80点になりますか。


(1)(73+81+86)÷3=80


(2)80×3-(73+81)=86または80×3-73-81=86



では、次の例34を見てください。

(1)~(3)は「平均」の基本を理解していれば、特別なことは使わずに解ける問題ですが、(1)はできても(2)や(3)のようになると解けない子も出てきます。

そして(4)はどうでしょう。


例34(平均算)


(1)全部で10回のテストのうち、これまでテストを6回受け、平均点が76点でした。10回のテストの平均点を80点にするには、残り4回のテストの平均点が何点ならば良いですか。


(2)国語のテストを6回、算数のテストを4回行いました。算数の平均点は、国語の平均点より10点高かったので、全体の平均点は80点になりました。算数の平均点は何点でしたか。


(3)国語と算数のテストを何回か行ったところ、国語の平均点は76点、算数4回の平均点は86点、算数と国語2教科の平均点は80点でした。国語のテストの回数を求めなさい。


(4)国語と算数のテストを全部で10回行いました。国語の平均点は76点、算数の平均点は86点、国語と算数2教科の平均点は80点でした。算数のテストの回数を求めなさい。


解1(常に確かめは行いましょう)

(1)(80×10-76×6)÷4=86(一つ一つ計算しても構いません。以下同)


(2)例えば、点数の低い国語6回の点数がすべて算数の平均点と同じ点数だったとします。すると、全体の点数が60(10×6=60)点増えるので、800(80×10=800)点にその60点をたすことで、算数10回分の点数になります。よって

(80×10+10×6)÷10=86

点数の低かった国語の平均点に合わせれば国語の平均点を先に求められます。


(3)算数の平均点と2教科の平均点との4回分の差を求めます。

(86-80)×4=24

この24点を、2教科の平均点と国語の平均点の差でわることで答えを得られます。

24÷(80-76)=6

「平均算」の基本である、多い分を削り少ない部分に移すことで平均を求めるだけなのですが、具体的に面積図で説明すると理解が早まります。


(4)?


(4)はこれまでに学んだ、ある解法※が使えることに気付けば簡単に解けるのですが、その解き方は次回。この(4)は(3)までと違い、全体の回数しか示されていないので,

「平均」を用いる基本計算では解けません。


上のような問題を、理解しやすく、解きやすくしたものが「平均算」の解法です。

(1)~(4)まで、すべて同じ解き方であっと言う間に解けてしまいます。

その「平均算の解法」とはどのようなものなのでしょう。



線分図系の問題には「和一定」「差一定」と言う考え方が良く出るように、面積図系の問題には「積一定」と言う考え方が頻繫に出てきます。言葉としてはあまり使われませんが、「商一定」と言う考え方もほとんど意識することなく至る所で使われています。

この「積一定」「商一定」については、面積図系問題などの特殊算だけで使うものではなく様々な単元で数多く使われているので、必ず身に付けておく必要があります。


それらがどのようなときに使われるか、例えば「速さ」の問題を例にとると


積一定:速さ×時間=距離であることから「距離(積)が一定の問題」で利用可能。


商一定:距離÷時間=速さ、距離÷速さ=時間であることから「速さや時間(商)が一定の問題」で利用可能。


「速さ」の問題では「面積図」を用いることはほとんどありませんが、「平均算」では、「積一定」の面積図の使い方を覚え、それを利用します。


その「積一定」の基本を簡単に示します。





そして「平均算」の基本的なイメージは、高低差のある土地の高い部分の土を削り、低い部分にその削った土を移して平らな土地にするようなものです。その移す土の量が同じであり、その部分が「積」にあたります。土地の下の部分がどれくらい深いかは関係なく、土を削る高低差の部分だけを考えます。


この2つの基本を用いて例34を解いてみましょう。





さて、いかがでしたか?


「面積図」を用いると、ほとんど何も考えずに答えが求められます。

繰り返しになりますが、それが「面積図」の最大の利点でもあり、最大の弱点でもあります。初めから「面積図」で解こうとするのではなく、文の読み取り能力を最大限に鍛えることと同時に、ミスをしないため有用性の高いものを使いこなせるようにすれば良いと言う捉え方で十分です。

「差集め算」の解法同様、「平均算」の解法も覚えておいて損になることはありません。必要に応じて使えるようになることで、考え方、解き方の幅が広がり、ミスを減らせます。また、「平均算」の解法(「積一定」を用いる解法)は慣れてくると「面積図」がなくとも解けるようになってくるので、確かめに使うだけのような使い方もできます。


尚、「平均算」でも使われる「積一定」の「積」が、基本「最小公倍数」であることは特に重要なことなので、必ず覚えておいてください。



ところで。


例34(4)を、次回まったく別の解き方で解いてみたいと思います。

すでに気付いている人もいると思いますが、これまでに学んだある解法※が使えます。

また、その解法を使う問題を「平均算」で解くこともできます。


更に、上の例34のような問題だけでなく、他にも「積一定」「平均算」が使える問題をいくつか紹介します。中には、いや、さすがにこの問題で使わなくても・・・と言うようなものも、算数の考え方の幅が広がるので一読していただければと思います。



次回更新は7月10日(木)を予定しています。



それではまた!


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